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あの娘僕がフェティッシュな話したらどんな顔するだろう-第二回/玲芳龍

Posted 2020-08-04

SMシーンにおけるファッションといえば。
そう、ボンデージ。
割と流行とか関係ないし、定番のデザインみた
いなものも多いので気にしてもなかったけど、 女王様が身につけるボンデージ・ファッション
も振り返ると意外に時代とともに変化してき
ていますね。実践プレイには普段着だったり、 一風変わった指定などをする人もいるけれど、 ボンデージを着れば=SM と浮かぶのだから
一つの制服みたいなもの。
90年代初期は「フェティッシュ」と言う言葉
自体、あまり馴染みがなく、専門誌などでも
エロティックとか、むしろビザールなんて言葉
とかのほうがよく見かけた気がする。
まだそんなものがない時代は下着一択だったようだけど、古い雑誌などを調べてみると
フェティシズムを反映させた女王ファッションは海外だとかなり早い段階で確立していたりして驚く。
軍服や制服、毛皮やコルセット、絹や麻など 生地にフォーカスしたものや、革のグローヴ にブーツ、エナメルやラバーという素材にい たるまで。手に入りやすく目にしやすいから こそ、フェティシズムというものの概念や 目覚めも早いのかな。(※PVC とエナメルを 同一とカウントする場合もあるし、細かい違 いがあるので別物とする人もいると思いま す。違いはググって下さい)コーディネートの見本のようなものはないし、 今のようにSMの様式美みたいなのも確立し
てなかった頃は本格的なボンデージやコル
セットなどを扱っている店も極小。
日本の90年代初期というと80年代から始
まったボディコンブームが続いており、露出す
ることに抵抗ない人たちも増え、おっぱい
丸出しなんてのもよく見かけたし・・・
雑誌に載る女王様たちも、肩パット入りの
スーツやタイトフィットな服にゴールドの
アクセサリーとかそのままオフィスに履い
て行けそうなローヒールなども多くて、本格的
なザ・女王様というよりもノリの良いオネェ
さんみたいな雰囲気。
 今も伝説として語られる日本初のボンデージ
 ショップ『AZZLO』は踊る方のクラブの人には
 支持されたが、SMクラブの女王様にはラバー
 の扱いにくさと今ほどデザインが豊富でも
 なかったため、ガチマニアにしか好まれなかっ
 たように思う。
 たまにラバーとか載ってても専用オイルもな
 ければ知識もないので、白く粉吹いてる!
 とかもよくあった。
 女性が強く積極的になってきたので、SM っ
 ぽいノリの店もたくさん出来た頃じゃない
 かな。
 道具はペラペラのおもちゃのバラ佃とか、緊縛
 なんて出来る人もいなく、性癖でも技でもなく
 ノリみたいなところも多かった。
 それはそれで、自由で良い時代だったように
 思う。
「男叩いてお小遣い稼がない?で OK だった
 から女王様のスカウトに困らなかった」とマゾ
 俳優が昔言ってたのを思い出す。
 ボディコンからの流れで、ハイファッション の世界ではフェティッシュテイストを取り 入れたコレクションが色んなブランドからも 発表され、オシャレさんの間でも好まれるよう になってくる頃は、ボンデージも本格的なもの を扱う店が増えてきた。
SMクラブの広告でもフェティッシュな世界観 を求めている人とそうじゃない人の違いとか も分かりやすく出てきたりして。
渋谷にあった『クラブ BO-TE』というリング 所有のSMクラブは、リングがウリなだけあり 格闘に強かったんだけど、クラブの広告に出て いる女王様たちのファッションが、ヒールに 至るまでとても洗練されたフェティッシュ ファッションだったのを覚えている。ママで あった珠樹リサさんの拘りだったんだろうか。
エナメルなどはもともと売っているカラーリン
グが豊富ではなかったし、恐怖や威厳、攻撃性
などなど、色そのものが表現する力や「女王様
らしさ」という根強いステレオタイプなイメー
ジからか、昔から黒や赤。
たまにシルバーやヒョウ柄とか見かけたけど、 凄く可愛いのに売れ残ってたなぁ。 私が自分で初めて買ったボンデージは、渋谷に
 あった『ルナティック・ワン』というボンデージ
 専門店で、イギリスのブランド『Wild Design』
 のエナメルワンピース。
 ベルトがたくさんついたそのボンデージをお店
 で見かけた時「絶対欲しい(よだれ)・・・」と思い、
 それまでそんな高額の洋服なんて自分のお金で
 買った事なかったのだけど、2∼3人とのプレ
 イでゲットしたお金を迷う事なく全部つぎ込み
 ましたよね。手に入れた時、嬉しかったなぁ。
『ルナティック・ワン』はスタッフがイギリスで
 買い付けてきたボンデージが所狭しと飾って
 あって、本格的な『Axford』のコルセットも
 ここで買った。最後の方にオーナーが代わる
 まで大好きな店でよく買い物したので、影なが
 ら店を支えたと思いますわ…。 何故か私はラバーのイメージが結構あるんです
 が、クラブプレイヤーだった頃は「ラク」と言う
 一択でエナメルでした。
 大昔、イギリスにある『SKIN TWO』の工房を
 見学させてもらった時も、その場にいる人全員
 にフルオーダーのラバーがつくれますよ!と
 言われたのに、「採寸とか面倒だな・・・」と思い、 『SKIN TWO』に行ったのに(!)その場にあっ
 たエナメルの衣装を買ったというくらいです。 そして時代はゴスやヴィジュアル系などがメ
 ジャーシーンに受け入れられるようになり、
 様々な規模のフェティッシュパーティーが沢山
 開催され、フェティッシュ・ファッション自体
 のニーズも広がってきた。
 BDSMの何たるかも広まり、非常に微妙でぼん
 やりしていたノーヌーディー・ノーセックスの
 考えとかもキチッとしてきた頃じゃないかな。
 ⃝
 王様のファッションも「数少ない中でなん
 とかする」から「カスタムできるオリジナルな時
 代へ」変化するわけですが、大きく変えること
 になったのは、『吉祥寺 AFFIX パラパラ』と 『原宿 BabyDollTokyo』の存在が大きいように
 思う。
 私がクラブに在籍している時にはまだなかった
 為一度もお世話になることはなかったのです
 が、皆さんἧって「普通のご夫婦」とその印象を
 話すパラパラさんがデザインする衣装は、シン
 プルで可動域が広そうで、どことなく可愛い
 感じもあり、まさに『衣装』という感じ。
それこそイギリスのボンデージカルチャーをゴ
リゴリ引き継いでいるわけでもなく、ビザール
とか、フェティッシュという言葉があまり当て
はまらないデザイン。色も選べるため、その
デザインに合うポップなカラーリングの衣装を
着る女王様も自然と増えた。
ボンデージ(=拘束)・ファッションに実用性を
求めるのはナンセンスだなと思いもするが、 やはり動きやすさは SM において大事だとも
思うし、日本語で細かくオーダー出来るという
のはとにかく魅力的。
今はここのエナメルを着る女王様が日本では
もっとも多いんじゃないかな。そ して、緑川ミラノ主宰の美と退廃のセレ
 クトショップ『原宿 BabyDollTokyo』。
『BabyDollTokyo』は、緑川ミラノがNYやLA、
 ロンドンなどで買い付けたりデザインしたアイ
 テムが売っているショップ。元々、ミラノ氏自身が女王様として活動して いたこともあり、ショップオープン前から ゴシックやフェティッシュなアイテムを扱う事 を決めていたのだが、フェティッシュという 言葉が全く浸透していなかったためその世界観 を表す言葉として選んだのが「美と退廃」だった そう。
フェティシズムの要素も組みつつ、エレガント で美しく見える事に拘ったオリジナルデザイン のコスチュームや彼女のスタイリングは今まで にない独特な女王様ファッションを作り上げた と思うし、SMのアングラやハードなイメージ 変化にかなり貢献し、フォロワーを増やしたと 思う。
『AZZLO』無き後、タルカムパウダーで滑らせて着るしかなく、何で磨くと光沢するかなんて
話題だったラバーも、簡単に着る手助けをして
くれるオイルやケア製品の販売により急激に
身近な存在になるわけですが、その激変は
一昔前のラバリストにはホント、涙ものだと 思う。
面倒だと避けていた私も着るようになる頃
には、女王様雑誌にラバーの衣装もちょこちょ
こ見かけるようになった。
ラバーはエナメル同様、初期は赤黒くらいな
色の展開だったけど、ポップなカラーリングや
エレガントでファッショナブルなデザインなど
も多く作られた結果、マニアだけのものでなく、 なにかの反動かと思うくらいやたらカラフルな
ものが好まれた気がする。
コルセットも、エナメルも、ラバーも日本語で
オーダーできる便利な時代になった今、悲しい
ことにファッション氷河期。ファッションに
拘りも持たず、ファストファッションを着て
ればとりあえず何とかなってしまう時代。
コスプレも一般的になって、怖さよりもキュー
トだったりエレガントな女王様が増えたし、 なんというか現実味とか社会性とか協調性の
ある人が増えたと思う。
どんなものがウケるかリサーチしていたり、 危険回避の勉強をしっかりしてたり、いうなら、プロ意識が強い人が圧倒的に多くなった。よっ
てボンデージも動きやすさがかなり重要視され
ているのかなぁと思う。
マニアックな人は特殊な嗅覚を発揮させてマニ
アックな女王を今も常に探し求めてもいるの
だろうけど。その場に君臨する女王様の存在感は時代の
変化とは関係ないものだけど、ちょっと綺麗な
お姉さん、ではなんとなく物足りない気もする。 イベントなどで個性際立つ格好の人を見ると、 どこかに在籍しているのか、いつもはどんな
衣装なのか、結構確認します。
いつの時代も強く美しく圧倒的オリジナルで あってほしい。
私が男だったら、やっぱ女王様好きだなぁ…!
あの娘ぼくがフェティッシュな話したらどんな顔するだろう2、PDFはこちら!DLしてねダウンロードはここをクリック!
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