どうも〜、ゆみこです。めちゃくちゃ久しぶりにblogを書いております。まずはユリイカ20周年、今年も皆さんにお祝いしてもらって嬉しいです!ありがとうございます。
さて今日は大切なお知らせがあります。ユリイカ、今年の8月いっぱいで「解散」致します。解散とは、お店を閉めるという意味です。実はこれは5年前、2019年秋の蘭花さん引退の時には既に決まっておりました。
とうとう発表する時がきたか…と思いつつ、まだ実感が湧かない部分もあり、5年なんてあっという間だったような、しかしユリイカを愛して楽しんでる皆さんに「やっと言えた」とホッとするような気持ちもあったり。不思議な気持ちです。不思議で、寂しい。でも、なによりやり切ったかな〜。解散する夏まであと半年あるけど。やり切ったです、うん。ユリイカ、我ながら本当に変なお店だと思う。そしていいお店だと思う。マゾたちもスタッフたちも、他にこんな場所ないわ。20年間楽しかった!ありがとう。
解散を決めた経緯を少し話そうと思います。池袋も…特に東側はここ10年で本格的に女子オタクの聖地になってきたり、大きなシネコンも建って綺麗な公園ができて…以前とだいぶイメージが変わってきました。我々2004年当時、池袋の端っこで「秘密基地のような、辿り着くべき人だけ来ればよい」というコンセプトで、住所も看板も出さず取材もお断りなスタンスでスタートし20年間変わらずやってきたのですが。時が経ち再開発の波の中、マニアが集う秘密基地もいつの間にか池袋の端っこではなくなってしまいました。
2019年の春、「今年の秋の更新からは家賃を上げたい、ユリイカさんはリーマンショックも震災も乗り越えた長いお客さんだから 2.2倍と言いたいところ 1.8倍でいい」と言われました。割り引いた風のいい話みたいに言われてもこちらはビックリで、そこから不動産マゾに現状の相場を調べてもらったり(ふっかけられてはいませんでした)秋まで何回も蘭花さんや、その時点で卒業や転職等の予定もなくコンディションのよいスタッフたちとも先どうするかを相談しました。なかなか結論が出ない我々に管理会社の方が先に折れ、「3年毎の更新を次の更新は5年後(2024年)でいいし、それまで今まで通りの家賃でよい、その代わり今回で定期借家契約に切り替えてくれ」と言われました。
「まあ優しさはあるが、そうきたか…。」それじゃ5年後どうしようかと、引き続きミーティングの日々でした。家賃に合わせて料金やシステムを大幅に変えようか…でもそれはユリイカの良さがなくなってしまうよなぁとか、新たに店舗契約して新天地で引き続きやり続けるか…いやそしたら私あと何年やるの〜?とか。蘭花さんやスタッフ、一部の友人や先輩たちと話して沢山考えて、「5年後の2024年はユリイカも丸20年だし、キリがいいから閉めよう!」という結論に至ったのでした。
そしてスタッフたちには「他にやりたい事や人生の大きな転機がきたら言ってくれ、今日までありがとうと送り出したい」「何もなければユリイカに最後までつき合って欲しい」と言いました。最後までユリイカのコンセプトは変えずクオリティーも落とさずにやり遂げたい、そこまで私と一緒に走ってくれと。まあ、そう決心したすぐあとに世界中がCOVID-19パンデミック一色なったんですけどーーー。コロナはヤバかったよね。憤ったし、もう笑ってしまった。それだけでもうひとつblog書けちゃうけど(また書こうかな)。
…兎にも角にもですね、コロナも収束して今です。みんなで決めた一大決心と先々への心づもりを、訳のわからんウイルスのせいで狂わされるのだけは私は絶対にイヤでしたし、でもみんなのユリイカへの想いがなければコロナ禍は乗り越えられなかったと思います。一緒にコロナ禍を支えてくれたスタッフ、解散するなら手伝いたいと復帰してくれたスタッフ、それから縁あってコロナ禍に新しく入ったスタッフ。みんなのおかげで今日のユリイカはあります。本当に感謝してます。ありがとうございます。
20年やってきましたが、私は最初の頃「自分らしさ」みたいな事ばかり考えてたんですね。「私の思うSM」とか「私好みのSM」とか「私の理想のユリイカ」とか「鏡ゆみこらしさ」とか。若いな。同じ人間ですからもちろん今もそれらは変わらずあるんですが、特にここ数年は娘が沢山いるみたいな気持ちなんですね。私は結婚もしていないし子供も産んだ事ないのだけれど、我の強い手のかかる、でも個性豊かで頼り甲斐がある妹や娘が沢山いた20年間でした。出来の悪いママではありますが、彼女たちの成長や変化を見れて本当に嬉しかったし幸せだったなぁと。
ユリイカという場所も私にとっては常に居場所で、真剣な遊び場だったし実験でもありました。そして自分のコンセプトが思いがけない色や形に変化し続けていく作品みたいなものでした。みんなで作り上げるインスタレーション。やり甲斐がある場所でしたし、時々メンテしたり対話したり嫌気がさしたり気を取り直したり…お店自体も手がかかるけれど守りたい子供みたいだった。皆さんのおかげでユリイカも二十歳、感謝で胸がいっぱいです。
「EUREKA」はギリシャ語で「我、発見せり!」という意味です。そう付けた経緯やユリイカのコンセプト云々だけでまたblog書けちゃうし(書くかな〜?)、フェティッシュサロンやミストレスサロンじゃなく「カミングアウトサロン」なのも、20年前の私の捻くれというか捻りたがりというか、いろいろあるんですけど、ユリイカに辿り着いたみんなが「我、発見せり!」となればよいな、と思って店名をこれに決めました。
けれども此処でいろんな人たちと関わり続けて、結果自分が一番「我、発見せり!」と驚き叫び続けた気がします。人の関係性…もちろんSMもなんですが、自分1人で思い描く理想とは全然違いますよね。歯痒さや煩わしい事もあれど、やはり人と関わった方が予定通りじゃなくて面白い。自分にとっての充実も足りない事も、切実も怒りも幸福も、相手がいてやっと少しずつわかる。夏まであと何回「EUREKA!」ってなるだろう。最後まで楽しもうと思います。そしてスタッフたち、マゾたちにも最後までユリイカを楽しみ尽くしてもらいたいなと思っています。
鏡ゆみこ