医療プレイのススメ-第5回/神田つばき

「最も危険なペニス~不倒不滅の不夜城のような」

 浅野忠信主演で映画にもなった『殺し屋1』の原作は、山本英夫がヤングサンデー に連載していたコミックなんですよね。
 ご存じでない方は全10巻+番外編1巻、漫喫で読んでくださいな。私の理想のハードマゾ・垣原が出てくるのです。ハードマゾだから拷問には強いわ、気に入らない奴にはペニスにピアッシングするわ、サブインシジョン(チン×2を真っ二つに切開する手術デス)もしてしまうわ… と、SにまわってもMにまわっても危ない男なのです。

 この漫画の中に、医療フェチの私には気になって仕方ないシーンがありました。
 主人公のイチは精神を操作され、捏造されたトラウマを動力として機能する殺人マシンなのですが、人間の為した技とは思えないほどの、完璧で躊躇のない殺戮を行ったあと、イチは深い満足とともに射精する… というのがパターン。
 でも、イチはある時、勃起したままどうやっても射精できない状態に陥り苦しむのです。ギンギンに立ったままなんて羨ましいとか言っているのは誰ですか?(笑) ああ痛そう、可哀想。哀れなり、用途不明の屹立ペニス。てか、もったいないですよね?
 でも、突然こんな事態に陥ることってあるのでしょうか? また、そんなときはどうしたら萎むのでしょうか? エムゾ君と二人で泌尿器科の女医さんに聞きに行きました(恥)。
 三〇代前半のショートカットで長身の女医さん、

「ありますよー、私も診たことはあります」
「では、では、その状態のまま何回でも何時間でも挿入できるというわけですねッ?!」

 すると先生は銀縁のメガネ越しに私をチロリと横目で見て、

「不謹慎ですね… 私が診たのは白血病で海綿体が鬱血したまま元に戻らない症状の患者さんです。挿入どころじゃないです」

 と、叱られてしまいました…。ごめんなさい、先生。
 ご存知のように、勃起というのはチン×2の根元の括約筋がゆるんで、海綿体の中に静脈血が流れこんできて起こるんですよねー。ムクムクーって感じに。
 でも、その患者さんの場合は、白血病のために白血球が異常にふえているので、海綿体に白血球が充満してしまったのです。しかも、海綿体から血液を出すほうの静脈が白血球でつまってしまって(このへんで早くもエムゾ君が泣きそうな顔に…)、

「それで持続性勃起症になってしまった、というわけです」
「うぅ、先生~。それってすごく危険な状態じゃないですかー」
「当たり前です! 当然、緊急手術ですから」

 血液を出すほうの静脈を開通させたいわけですが、これがなかなか大変だったそう。そうしている間もペニスは充血する一方です。
「とりあえず亀頭の海綿体を切開して、血液を排出しておいて、後日根本的な治療をすることになりました」
「血液を… 排出? チン×2からですか?」
「そうです。亀頭からビュービュー血が出ましたよ」
「はあ… ビュービューですか…」

 と、オウム返しするエムゾ君。うっとりした目で薄口を開けて女医さんの話に聞き入っているエムゾ君の存在が、すごーくすごーく恥ずかしかった私です。